すぐに食べきってしまうお取り寄せチーズパイ。
とにかく通販が嫌いだ。クレジットカードを持っていないから支払いが面倒くさいという理由もあるけれど、一番の理由は「欲しいと思った瞬間に手に入らないから」だ。欲しいものは今すぐに欲しい。注文してから待ち時間が発生するのが、とにかく苦手なのだ。
このあいだも新宿で、東急ハンズ→伊勢丹→ルミネ1→ルミネ2→ミロード…とさまよって、小田急百貨店で目的を達成した。後日通販サイトを見てみたら「在庫あり」と表示されていた。即日発送だから、ちょっと待てば確実に手に入っただろう。平日の疲れ切った定時後に、わたしは何をやっているのか。通販サイト全盛の時代であっても、店で買えるものはできるだけ店で買いたいわたし。だが、世の中にはそれが通用しないものがある。それが「お取り寄せ」。
お取り寄せは、その名の通り通販で購入するものだけど、わたしが知る限り、食べ物を指すことが多い。お取り寄せグルメ、なんて単語はよく目にするし、雑誌〈CREA〉は年に一度はお取り寄せグルメ特集を組んでいるような気がする。年の瀬、家にいる時間が増えると食べ物にこだわりたくなるってもんだ。そして、大嫌いな待ち時間を過ごしてでも食べたいものが、わたしにも一つだけあるのです。
湘南チーズパイ 2個入 1,500円(税込)
湘南チーズパイ | 葦 オンラインショップ
それが、湘南にある「葦」というお店が販売しているチーズパイだ。わたしの家から行けない距離ではないものの、遠い部類に入るのでめったに行くことがないお店。前に知人がお土産でくれたのだが、あまりの美味しさに家中が騒然とした。なにせ、食べたことがない食感と味だったのだ。黄色くて小さな箱にぎっしり入った棒状のスティックパイ。粉砂糖がたっぷりかかっていて、食べるときにはティッシュを敷くのが我が家の決まりになっている(粉砂糖が飛び散るから)。
価格も手頃で取り寄せやすい。「えいっ」と覚悟を決めて散財するのも好きだけれど、冬休み、こたつで怠惰につまむ菓子はこのぐらいの価格感がいい。平日の夜にチューハイを飲みながら食べ散らかすお菓子ではなくて、こたつの中でつまむお菓子。明日が休みだってわかっているからこそ、ちょっと堕落した贅沢をしたくなる。やったぜ。
と、言ってみたものの、年末まで二箱もたせられるかどうか、全く自信がない。先程、一箱を食べきってしまった。パイと言ってもサブレ生地がサンドされているせいなのか、全くくどくないのだ。あっさりして、チーズの塩気があって、後を引く。となると、もう止まらない。
せっかく取り寄せて、一週間待ってようやく到着しても、すぐに食べきってしまう。食べきってしまうともっと買っておけばよかったと思う→自分に少しだけ苛立つ。わたしの忍耐力のなさが悪いのだけど、お取り寄せは食べるスピードがむずかしいですね。
つづく