ポケモンは一日一時間、クレジットカードはまだ早い。
少し前から、給料の使いみちをちゃんと考えるようになった。それまではあればあるだけ使っていたのだけど、残高が増えないことに恐怖を感じたのだ。きちんと使い道を決めて貯金用口座に移したり、月の予算を考えてからお金を使う。欲しいものはノートにメモして、本当に必要かどうか考えてから購入する。こういう時、クレジットカードがあれば未来の自分に託せるのだろうな…と考えるのだが、未来の自分に何でも託しそうな現在のわたしがいる。やっぱりクレジットカードはまだ早い。
欲しいものリストを作っていると、長い間買っていないものがあることに気づく。もちろん必要がないから後回しにされているのだけど、思えば一年近く迷っているものがある。それがNintendo Switchだ。会社でスマブラ大会が開催された時、あまりの楽しさに「自分も買おう」と思ったのだけど、買う機会を逃しに逃して今に至る。金銭的な理由も大きいけれど「ゲームをやる時間があるのか?」という迷いが大きかった。
だけど。電化製品を買うならここ、と決めている家電量販店で、清水の舞台から飛び降りる思いで買ってきた。Nintendo Switchと、ポケモン。どうしてずっと迷っていたものをいきなり買ったのか?と問われれば「大きな散財をしたくなった」からに尽きる。先月はあまり大きな買い物をしなかったせいか、予想より少し多く月の予算が余った。貯金に回せばいいものの、給料が入ったばかりだし誕生日が近いという言い訳も手伝って、大きな大きな散財をしてしまった。帰り道、大きくて重たいゲーム機が入ったビニール袋が、手のひらに食い込んだ。罰を受けているかのように、じりじりと痛かった。
そもそも、ポケモンをやるためだけなら、少し安価なNintendo Switch Liteでよかった。でも、気になるのはポケモンではなくて「リングフィットアドベンチャー」や「Fit Boxing」といったダイエット系のゲームだった。特に「リングフィットアドベンチャー」の話題は、SNSで見ない日がないぐらいだ。自分でもスクワットぐらいはするけれど、どうにも続かない。できない日が1日でもあると、もういいやとやめてしまう。ゲームならそういった事態が回避されるのではないか?
しかし、時既に遅し。目的にしていた「リングフィットアドベンチャー」には「完売御礼」の文字が大きく貼ってあった。でもここで引き下がるわたしじゃない。なんたって、今日はもう「お金を使おう」と決めて来たんだから。じゃあ、二番目に気になっていたポケモンを買おう。任天堂から新しいゲーム機が出るたびにポケモンが発売されてきたけど、その度にプレイしてきたじゃないか。そう思い、ソードとシールドで5分程度迷ったあと、シールドを購入した。
帰宅してNintendo Switchの初期設定を終えたあと、ソフトを本体に入れてすごく懐かしい気持ちになった。そうだ、ゲームって「わざわざ」やるものだった。ゲームを手にとっても「やる時間がない」と諦めてしまっていたけれど、やる時間は作れば良い。熱心にゲームをやっていた頃だって、やりたいことや、やらなくてはならないことがたくさんあった。
ところで、Nintendo Switchは携帯機と据置機の「あいのこ」のようなハードだと思うけれど、わたしはあまり持ち歩かないと思う。家でのんびり、わざわざ時間を作ってゲームをやりたくなったのだ。
つづく