リモートワークの教科書 第12回 「リモートワークに教科書は無い?」
第1回 さぼる人が出てくるんじゃないでしょうか?
第2回 ずっと一人ぼっちは寂しくなっちゃうんじゃない?
第3回 顔をあわせなきゃ仕事にならない?
第4回 おうちのリビングだと仕事に集中できないんじゃない?
第5回 電話がかかってきちゃうでしょ?
第6回 子どもが家にいて仕事どころじゃない
第7回 ちゃんと評価できるの?
第8回 リモートだと仕事ばっかりしちゃうんです
第9回 手軽なイベントを開催したい
第10回 社内のリモートワークのルールってどうやってきめたらいいの?
第11回 社長の声が届けられない?
12回 リモートワークに教科書は無い?
「リモートワークの教科書」が目指したもの
2020年4月16日の初回からこれまでシリーズとして11回お届けしてきた「リモートワークの教科書」。
当時は、新型コロナウィルスの実像もまったくわからないなか、連載開始に先立つ2月より、感染拡大の防止や従業員の安全確保のため出社の禁止などを実施してきました。以来、ほぼ100%リモートワークの体制となり、現在も継続しています。
幸いにして私たちは6年ほど前からリモートワークを「推奨」し、積極的に実施してきたこともあり、比較的スムーズに「ほぼ100%」リモートの体制に移行することができました。
その経験から得たものが、少しでもお役に立つのであればと、これまでご披露させていただいてきました。
「教科書の解答」が刻々と変わっていく
ただ「推奨」と「ほぼ100%」との間にはとてつもない差がありました。過去に編み出した知恵や経験は、「ほぼ100%」への挑戦をする中で、次々に変容していくことがほとんどでした。
たとえば5月26日に公開した第5回では、会社にかかってくる電話にどう対応するか、というテーマについてお話させていただきました。そのときは「留守録を設定し、管理系の担当者が1日1回確認し、折り返しなど対応の依頼が必要なものはメールやチャットでの連絡などをする」という結論を書かせていただきました。いわば「教科書としての解答」を載せさせていただきました。
ところが実はその後も試行錯誤は続いていました。「ユーザーさまからのお問い合わせなど重要度や緊急度が高いものにどう対応するのか?」「営業電話など即時に対応する必要性が低いものにも同じように対応するのか?」「それらの割合はどうなっているのか?」「どこで電話番号を知って電話をしてくるのか?」「果たして電話番号を企業サイトに掲載しておく必要はあるのか?」。
「教科書としての解答」は刻々と変化していきました。
このコラムを執筆している11月初頭では、「BIZTEL(https://biztel.jp/)というサービスを利用し、リモート環境下でも、ワークタイム中はパソコンなどで管理部門が電話を受ける」という「解答」となっています。ただこの「解答」もこの先の試行錯誤によって正解ではなくなっていく可能性もあります。
リモートワークに教科書なんて無い
電話だけではありません。「教科書としての解答」はそのほかの領域でも次々に新しいものになっていっています。
考えてみれば当然なのかもしれません。これまでのスタンダードがほぼ通用しなくなるなかで「ニューノーマルなワークスタイルとはどんなものなのか」「これから私たちはどうしていくのか」を、それぞれの会社や団体が自身の実態に照らして編み出すという難題に挑むのですから。「教科書としての解答」なるものが通用するのはほんの一瞬一部でしかないのも当然なのかもしれません。
「リモートワークに教科書なんて無い」。
11回の連載をもしまとめるとするならばこれに尽きます。
今回の第12回、と次回の第13回をもって、「リモートワークの教科書」はいったんおしまいにさせていただきます。もちろんアーカイブとして残しておきますのでご興味をお持ちいただいた方はいつでもご参照いただくことが可能です。
私たちはこれからも日々試行錯誤を繰り返していきます。
いずれそれらの実際をお伝えする機会があればと願っています。
リモートワークの教科書、これまでお付き合いいただきほんとうにありがとうございました!
WRITING
広報室 室長風間 尋実オズビジョングループにて広報、法務を中心に、人事、採用、育成など幅広く担当しています。設立後の黎明期から現在に至る紆余曲折試行錯誤を直接経験してきました。