アイシャドウに1万円。ついにトム フォードに手を出した日。
似合う色が完璧にわかってしまった
私事だが、最近パーソナルカラー診断を受けた。私は「ブルベ夏」という診断だった。
パーソナルカラーが分かると化粧品が欲しくなる。自分に似合う、とプロが太鼓判を押してくれる色味が分かったのだ。
似合う色が分かったら、あとは買うだけ
いいアイシャドウを探す
Twitterの検索履歴は程なくして「ブルベ アイシャドウ」などの言葉で埋まった。色々と見た中で、ふとトム フォードのアイカラークォードを買おうと思い立った。
このブランド自体、いわゆる「デパコス」の中でも高い価格帯にあるのだが、アイシャドウは1万円もする。資生堂やカネボウと言ったブランドのものがおおむね7千円ぐらいで買えるので、それよりも高額なのだ。
納得の高級感である
金子みすゞの詩のように
4色パレットの「アイカラークォード」の内、気になる色を二つに絞った。ミンクミラージュと、ノワールフュメ。呪文のようだ。
会社を定時で退勤して、百貨店に駆け込む。無粋なビニールで覆われた売り場で、店員さんに二つの色名を伝える。手の甲に出してくれたが、どちらも良い。金子みすゞの詩のようだ。みんなちがって、みんないい。
迷っていると、店員さんが「お客様の顔立ちなら、ノワールフュメのほうが良いと思います」と勧めてくれた。
そして、ノワールフュメは廃盤になると言う。いま店に在庫があるだけで終わりです、と言う。覚悟が決まった。
本当はその場で購入したかったがクレジットカードはなく、手持ちもない。
あこがれのノワール・フュメ
今度こそ購入する
翌日、ATMに立ち寄り1万円を下ろして、また売り場へ駆け込んだ。たった今下ろしたお金が消えていく。
持って帰った袋からはかすかに柑橘の匂いがした。たぶん、香水を袋にかけてくれたのだろう。こういう体験は、通販ではできない。だから店で買うのが好きなのだ。
百貨店の包装紙も大好きです
みんなが絶賛する理由がわかる
こんなに化粧にわくわくしたのはいつぶりだろう。
目元を軽く、口紅に重きを置く化粧が好きな私は、マスクを常時付けるようになってから化粧が投げやりになっていた。しかし、ノワールフュメはどうだろう。一重まぶたの私の目を、ぱっと印象深くしてくれる。こんなことなら、もっと早く買っておけばよかった！さすがトム フォード。そう思う。
トム フォード以外も使いますが、やっぱり手が伸びがち
人間の目は二つしかないのに、アイシャドウは増えていく
しかし、いつか飽きてしまうのだろうか、と不安になる。
去年買ったSUQQUの限定品だって、使い始めた頃はあんなにワクワクしたのに、気が付いたら使わなくなっていた。
もしかすると、発色が濃い分飽きるのも早いかもしれない。大きな買い物をしたあとには、決まって「こんなものにこんなにお金を出してしまった」という底なしの後悔がやってくる。
今まさにその真っただ中なのだけど、ふと鏡を見ると他のアイシャドウでは出せないような「強い」目をした自分がいる。このイメージをまとっている間は、きっと飽きないはずだ。…たぶん。
つづく
