会社と自己実現は別の話ではない?-レバノンやヨルダンの人たちと出会った話-
みなさん、こんにちは。広報の畝本(あぜもと)です。
今日は、お問合せフォームからいただいた1通のメールから始まったストーリーをご紹介します。
ある日突然レバノンからメールがきた!
8月のある日、当社のお問合せフォームに私宛のメールが届きました。
メールをくださった方はレバノン在住の日本人女性の方でシリア人難民支援をしているNGOでお仕事をされている方です。
その方がなぜ私のことを知っていたかというと、2年前にあるNGOの社員研修を私が実施したことがありました。
その時に参加されていた方だったのです。
その女性はレバノンで全盲の女性に出会い、レバノンで障害者の支援をしたいと考えていた時に私のことを思い出し、インターネットで検索し、ご連絡してくださったそうです。
時間と場所を越えてこんな風に繋がれるとは!こんな嬉しいことはありません・・・!
このメールをきっかけにやりとりが始まりました。
日本にいても広がる世界
メールをくださった方は、レバノンでも障害者への差別や偏見をなくすために日本で受けた障害平等研修(注)を現地でも多くの人に受講してほしい、また障害当事者にはこの研修のファシリテーターとして活動できるようになる講座を受ける機会を作りたいという思いをもっていました。
私自身できることがどの程度あるかわからなかったのですが、まずは障害平等研修フォーラムの事務局に連絡をし、レバノンでの研修の実績を聞き、現地に近い人で協力してくれそうな人を紹介してもらうところから始めました。
そこで紹介されたのが、ヨルダン人の女性でした。
彼女であれば研修を実施するスキルもあり、英語もアラビア語を話すことができるとのこと。そこで今度は私が、ヨルダン人の女性にメールをしました。
知らない人に連絡するのは日本人同士でもドキドキするのですが、海外だと余計に緊張しますよね。
2日後、ヨルダンからメールが返って来ました。
彼女は、レバノンでの活動に協力してくれるとのことで、一度ミーティングをもつことになりました。
9月某日。日本、レバノン、ヨルダンの3か国から集まり、Zoomでミーティングをしました。
レバノンからは私にメールをくださった方以外にも、この活動に早速協力したいと思ってくださった現地のNGOの方も参加し、4人で顔合わせをし、これからレバノンでどんな風に進めていかれるかを話し合いました。
新型コロナウィルスの感染拡大により対面での研修実施が難しいこと、レバノンがインターネットの状況があまりよくないこと、研修を開催するための資金の問題など懸念事項もたくさんあるのですが、「なにかしたい!」という思いは人を動かすということを実感する出来事でした。
おてんとうさまは見ている!
今回の出来事を通して私は「思いをもって仕事も自分自身の活動も続けていれば誰かが見てくれている」ということを改めて感じています。
私が日本で実施した研修が違う国で新しい出会いをもたらしてくれました。
研修を実施した当時と私自身は働く会社も状況も大きく変わりましたが、変わらず“多様性を認める共生社会を作りたい”という思いをもってコツコツと続けてきてよかったなと思っています。
この文章を書いていたら、新卒の頃、当時の上司がかけてくれた言葉をふと思い出しました。
「おてんとうさまは見ているから、誰が見てなくてもコツコツとがんばろう」
どこにいてもどんな仕事をしていてもおてんとうさまは見てくれているんだな・・・
注:障害平等研修とは、障害当事者がファシリテーター(進行役)となり進めるワークショップ型の研修で、対話を通し発見を重ね、社会にある「障害」を見抜く視点を獲得し、それを解決する行動を形成する研修です。世界38か国約500名のファシリテーターが活動をしています。