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リモートワークの教科書 第9回 「手軽なイベントを開催したい」

総会クラスの企画はそんなにできない…

年に2回、全従業員が参加して行う私たちの「総会」。昨今の状況により今年の総会はフルリモートで実施しました。その顛末やノウハウはこちら【「フルリモートで全社総会と全社懇親会を開催することはできるか?」 実際にやってみた、そのTips、公開します!】に書かせて頂いています。

「ここまで凝ったことできるか!」って、そうかもしれません。懇親会も含んで約3時間。原則として全従業員が参加するフルリモートでの公式イベント。過去幾度となく繰り返してきた総会でありますが、今回は特に設計はもちろんのこと運営そのものにも苦闘しました。これを毎月やれって言われたらとっとと総会専任担当になっちまいます私。

「交流」を「効果的に」「軽く」実施する方法は?

従業員同士の風通しがよかったり、コミュニケーションを大事にしている会社や団体ほど、リモートワークを広く取り入れる際に課題としてのしかかってくることの一つに「気軽なイベントとかが減って交流が薄くなっちゃう…」というものがあると思います。

交流、大事です。これまでの6年に渡る私たちのリモートワーク経験から交流についてわかったことがあります。

1.意外に自部署内での交流や情報共有は容易に確保できる
2.他部署との交流や情報共有となったとたんにその確保には多大な努力と工夫がいる
3.全社レベルでの交流や情報共有は相当意識して企画、実行しないとジリ貧と化する

シンプルな「フルリモート設立記念日」を開催

しかし前述の3についてはちゃんとやろうとすると多大な労力がかかることが多い。それを何とかできないものか…。

何とかしよう、と思い立ち挑戦してみました。実は私たちオズビジョングループの設立記念日は5月26日。2020年5月29日に第15回目の設立記念イベントが開催されます。ここで実験してみようと。もちろんフルリモートで。

設立記念ですからやろうと思えば総会のように気合を入れてもよいかと思います。が今回私たちは前述したような交流不足を手軽適度に解消する良い機会にできないかと発想しました。主なポイントは以下のとおりです。

・交流不足を手軽適度に解消する機会にする
・従って過度な準備や設計を必要とせず思い立ったらできるような雛形を発見する
・設立記念ということもあるので社史の振り返りを要素として盛り込む
・スリムな企画にするとはいえ参加者が一定以上に満足する企画とする
・一方でできるだけ部署を超えた全社レベルでの交流を生起させるものとする
・リモートワーク中心であってもこの交流により会社への帰属意識や仲間意識を維持する

総会ほど凝った設計ではありません。zoomを通じて参加可能な全従業員が集合。代表の挨拶を皮切りに司会者がパワーポイントを用いて進めていくといういたってシンプルなスタイルです。

回答を紙に手書きしてもらったことの意味

さてこれまでお話してきたような機会とするために今回用意したのは「オズビジョンクイズ」。ほら、なんかこれぐらいならできそうな気がしません? 

・草創期に本社が入社していたビルは次のうちどれか(マンションの小さな一室から始まった)
・過去に興した新規事業の順番を当てよ(撤退したものも多数。挑戦の連続だった)
・有志メンバーで結成したバンド名はどれか(交流をずっと大事にしてきた)

これらグループ文化を象徴するようなクイズを10問出題。A~Dまでの4択。正解数の一番多い人に「お茶菓子セット(ほら、これも出せそうじゃないですか)」をプレゼントするというものです。

注)もう1つの画像とQとAは一致してません

注)もう1つの画像とQとAは一致してません

さて企画自体はシンプルですが、ちょっとしたtipsを盛り込むことで「交流であるからにはできるだけ表情や様子がお互いに見えるものにする」ことを狙ってます。といっても複雑なものではありません。

A~Dの選択肢を参加者に提示してもらうのですが、昨今ではアプリで簡単に投票ができその結果を集計することができます。もちろんそれでもよいのですが、回答という行為そのものにもその人なりの表情や様子を垣間見ることができます。それを活かすために今回やったのが「A~Dの回答を紙に書いてもらいPCのカメラに掲げてもらう」という方法でした。

「えー難しい…どれだろう…」「あれ、どっちだったっけなあ」といったつぶやきが漏れ聞こえたり、ギリギリまで迷っている様子が見えたり、逆に自信満々に太字で「C」と書いて間違えたり。ささいな個性が垣間見られることでよりリアリティがでて面白かった。参加した人の感想も概ね好評で、今回のシンプル交流企画、成功と言えるのではないかと思います。

何も緻密な設計大掛かりな準備がなくとも、シンプルだけどちょっとした工夫を盛り込んだイベントも十分に意味があるし効果的だいうことを学びました。大きな企画には大きな企画の意味が、小さな企画には小さな企画の意味がある。小さな企画を適切な頻度で継続していくこと、楽しみに待ってもらえるものにしていくこと。それが重要なのかもしれません。

リモートワークの教科書、これからも包み隠さずまいります。

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